九世 小堀正和(宗本)

小堀宗本自画賛 忠度図短冊
宗本自画賛 忠度図短冊

遠州と遜色ない書の達人

 父小堀宗中が孤篷庵在住の時に京都に生まれた。16歳の時御家再興が許された宗本は、茶法及び書を宗中に、絵は狩野派を習熟した。現在の遺品その他を参照すると、能く父宗中の風を学び、父子合作にも厳しかった宗中の意を汲み、諸般にわたって研鑽している。遠州と遜色ないほどの能書だったという。名器過眼禄及び古文書の整理、茶法の相伝等においても父の手助けをした。天保年間(1830~44)に催した茶会記録も遺されている。父小堀宗中79歳のときに、15代将軍徳川慶喜のお供で上洛の折に、京都で父に先立って亡くなる。52歳の生涯であった。