茶道の魅力

忙しい日常から一瞬解き放たれ、一服のお茶の豊かな香りにほっと一息つく。床の間の掛け軸や生け花を眺めながら部屋の中で四季の移ろいを感じ取る。細かい所作の中に、日本で何百年と受け継がれてきた「人を思いやる心」を発見する。一服のお茶が大きな世界を見せてくれる、これが中川宗津先生がいう茶道の魅力であり、長年の活動の中で先生が大切にしてきた思いです。

世代を越えた茶道の発展を目指して

中川先生は、家元参与の資格を持ち、遠州流茶道連盟理事として国内強化委員を務めています。前職、遠州流青年部連合会理事時代は、若い世代の人々に茶道の魅力を伝えるべく取り組み、「第2回未来たまご紅育成賞」を受賞しています。現在も各学校で茶道指導を行い、子供たちへの文化継承事業活動を続けています。

茶道に魅了されて

先生と茶道との出会いは、高校入学の時。茶器の手触りや畳の匂い、お菓子やお抹茶の美味しさまで、全てが新鮮で、あっという間に茶道の世界に引き込まれました。20年ほど前より教授者としての歩みを始めました。先生にとって「教える」ことは「学ぶ」こと。教授活動を通じて、一層茶道の深みや広がりを感じられるようになったそうです。

国内外の人との交流

２０２０年には、「茶道の魅力を多くの人に知ってもらいたい」という思いで、東海ラジオ「伝七邸茶道塾」のパーソナリティを始めました。日本の伝統文化を伝える番組として、同番組は「必聴ラジオ100選」にも選出され、多くのゲストやリスナーを楽しませました。また、海外においては、現地の日本大使館と連携し、上海、シンガポール、フィンランド、UAEなど各国の主要な教育・文化機関で茶会や日本文化体験会を開催してきました。日本でも、交流イベント等を通じて、外国の方々に熱心に茶道を紹介しています。

一服のお茶から広がる世界

　茶道への興味は人それぞれに異なります。茶道はそれを許容する大きな世界を持っています。おいしいお茶とお菓子をいただき、日本の四季を感じ、文化伝統に触れ、人の心に触れることで、忙しい毎日で忘れていた自分の心の豊かさを再発見し、日常ではなかなか得られない世界観を体現してもらいたい。先生の熱心な活動の背景にはそうした強い思いがあります。

先生いわく、茶道を始めるのに年齢や知識は不要です。子供さんから、学生、主婦、忙しいビジネス人、リタイアされた方々など様々な世代の方に、気軽に教室の門を叩いていただきたいそうです。「１服のお茶から、豊かな大きな世界を感じてほしい」。それぞれの思いに寄り添いながら、お稽古を楽しんでいただけるよう指導しています。